rohisatoの日記

詩堂炉久人が気になったフィギュアとゲームを取り上げるブログ

束芋展

束芋『ヨロヨロン展』を観に行った。

品川の原美術館にて8月27日まで短編アニメの展示会をやっている。
30代の女性アーティスト束芋さんの『ヨロヨロン展』だ。


結論から言うと「日本ノ“タブー”ヲ目撃シテシマッタ!」である。
ゲ●戦記の試写会の前に観に行ってよかったんかいな? と思うほどのキョーレツな内容の短編アニメーション集展示会である。アニメではなく「インスタレーション」か?
そう、束芋さんはアニメーターではなく『芸術家』として個展を開いているのである。

悲しいかな宮崎アニメを除き、「アニメ」と「芸術」には収入の格差がある。
もしも束芋さんが「アニメーター」という肩書きであれば極貧の生活と“マトモな収入”を得るための同人活動として自身の作った同人短編アニメDVDが秋葉原日本橋の同人ソフト扱い店でひっそりと売られていたことだろう。もしくはエロゲー原画マンとして活動を余儀なくされ、出版社の目についてライトノベルの挿し絵描きでブレイク……しないな、この萎え絵では。

ところが『芸術家』とか「アーティスト」とかに肩書きが差し変わると、アラ不思議!
あちこちの美術館からお声がかかり、文化庁やら広告代理店から来た背広組が沢山の札束を抱えてニコヤカに出迎えてくるのである。
金ッ金ッ! 漏れも金が欲しい~!

さて、その短編アニメの解説にいくか。
週刊文春で紹介された『公衆便女』。
これは女性用公衆便所を舞台にした短編アニメ(インスタレーションとか書き換えたくネェ)。
この便所に出てくるキャラクターといえば……。
→カメを流しにきた女
→赤いランドセルを背負った半裸の女(あくまでも18歳以上だよおにいちゃん!)
リストカッターというか自殺未遂の女
→間違って妊娠してしまった女
→隠しカメラの眼を持つ蛾
→窓からフラッシュを焚くカメラマン
……などがいる。
トイレの中でパンツの中を確認し終えたランドセル女は洗面台で延々と手を洗い続け、リストカッター女が手を洗いに行くとミラーワールドにいるもう一人の自分が鏡を割ろうとする。
カメラの眼を持った蛾は男の手から次々と飛び出す。
妊娠してしまった女は鼻の穴から胎児をひり出して、胎児を亀の上に乗せて流す。
それら、あられもない姿の女性たちを撮っているのかフラッシュが焚かれる。
えー。それなんてエロゲ? 


以下、各作品のダイジェスト。
『真夜中の海』は海の下に「落ちたまま(コンクリで固定?)」になっている死体と死体の間を泳ぐ白髪の魚を描き…。
『日本の夜明け』は君が代を歌う女性合唱団の上で、テレビで見たような政治家が首を吊って降りていく、その横で日本の国旗が掲揚されるのである。
『日本の台所』は太ったオバハンが延々と料理を作り続ける横で、おばあさんが何かの呪文を唱え続け、学生や少女がビルから飛び降り続けて、イケメンたちはハングル語を話し、首を切られたおじさんはピストルをオバハンに向けて発射して終わる。
『背中』は男の背中に彫られた華の刺青が出てくる。しばらくたつと花びらがポタリポタリと落ちていき、花は無残な姿になり、蝿がたかり男の背中から無数の蛆が湧く…。
……他のタイトルも紹介しようと思ったが、不特定多数の方々がご覧になられるネット上にテキストを載せるのもはばかられる内容のため控えたい。(なぜか丁寧語になっている漏れがいる。ガクガクブルブル)

ともかく、これらタブーの表現を描写できるというのも彼女の出身が兵庫県で、任侠の方々と一緒に育ってきた背景があるからで、美術の能力が高くとも全ての広告制作会社からお断り通知を受けたのも納得できる。
とにかくキョーレツに闇社会の恐ろしさを体現させてくれる展示会でした。